
少し前に、水曜文庫にて詩の会を開いていただいた原田淳子さん。詩も書き絵も描かれる人ですが、今まで物語の「語り」、書かれた言葉を読むのではなく、ただ語るという行為をご自分のライフワークにされ、都内のスペースにて年一度16回その発表をされてきました。この度東京から山梨に居を移されたのを機に17回目は水曜文庫でその会をしていただくことになりました。入場無料、出入自由というこの会がどんな様子の会になるのやらなかなか想像ができませんが、詩の会のときにもぐいぐい聴者を引き込んでいった原田さんのことなので楽しい会になること、請け合いです。
年末のお忙しい時期と思いますが、物語について、児童文学、また口承文芸についてご興味の方など、ぜひご参加ください。
どうぞよろしくお願いいたします。
以下、原田さんによる当日の詳細です。
12.25 Thu. 17:00-19:00
水曜文庫
@suiyou.bunko
入場無料・入退場自由
◆17:00
The Foggy Dew Irish tradditional
灰かぶり|ドイツ|15分
◆17:25
Farewell to Whisky Scotish Traditional
背中にこぶのある男の歌|スコットランド|3分
笛吹とプーク|アイルランド|10分
◆17:50
漁師とその妻|ドイツ|15分
◆18:15
九つの頭の鳥|中国|10分
◆18:30
潮干る珠|日本・静岡|8分
◆18:45
おおみそかの金馬|日本・八王子|8分
星の銀貨|ドイツ|5分
Taimse Im Chodladh Irish Traditional
◆
ことしで16回目、16年目となりました
これまで路地と人で開いてきましたが、
ことしからはディアスボラになりまして、
はて、どうしたものかと放浪しかけましたが、
静岡の水曜文庫さんにて出来ることになりました
(水曜文庫さん、ありがとうございます)
お話のメニューを練っていて、
お知らせが直前となりましたが、ようやく決まりました
昨年のテーマは「土」でしたが、ことしは「水」です
生命の水
そして同時に、ことしの春にロメールの映画『緑の光線』をみたことから、J・ヴェルヌの『緑の光線』と出会い、
小説に出てくる言い伝え、
「水平線に太陽が沈む一瞬に発するとされる緑の光線を目撃すると、自分と他人の心の中が見えるようになる」
という伝説の根拠になるものがないか、
小説の舞台であるスコットランドの諸島の伝説を ほそぼそと探ってきました
そして聞けば、水曜文庫の市原さんはケルト文化好きと伺い、
ちょうどケルトととも深いつながりがある小泉八雲のドラマが放映されているので
(わたしはTVがないのでみていませんが)、
グリムとケルトを結ぶお話を選びました
(ハーンはアイルランドで幼少期を過ごしています)
そしてケルトを追っているうちに、偶然か、必然か、
J・ヴェルヌとケルトとのつながりがみえてきました
J・ヴェルヌはフランス人であるのですが、
『緑の光線』ではスコットランドの伝統的な風習や地理、文化について詳細に書かれていることを不思議に思ってました
ケルト文化、ケルト民族の分布を追っていくと、
ケルト族の一部はフランスのブルターニュ地方にも移動していて、
ブルターニュはフランスのなかでもケルト文化が残る土地であること、またブルターニュ地方とならんで、
J・ヴェルヌが幼少過ごしたペイ・ド・ラ・ロワール地方もケルト文化の影響を受けている土地であることがわかりました
わたしが気になっていたことが一年かけて、
ケルトという一本の糸で結ばれたような感じで、感慨深いです
『緑の光線』はグラスゴーから始まるのですが、
グラスゴーのゲール語、「親愛なる緑の場所 (Dear Green Place)」をことしのテーマに添えました
またグリムの昔話のなかでもわたしがケルト的なものを感じた『漁師とその妻』という話がありますが、
その話を八雲が読んだという記述を本でみつけ、
時を超えてハーンと物語でつながった気がして感激しました(文学オタク)
グリムが採集した民話以外では、
アイルランドらしい、妖精と音楽のお話、
『笛吹とプーク』を選びました
ポーグスに「Fairytale of New York」という曲がありますが、
ケルトの民話では妖精が多く出てくるので、
fairytale(おとぎ話)ということばを改めて納得しました
ただ日本語で妖精ときくと、
ディズニーの功罪で可愛らしい女の子のイメージが強いですが、
ケルトの民話ではほぼ小人や異形の生きもののことで、
日本でいうと妖怪に近いのだろうとおもいます
そう考えると、妖精の口承文学に精通していた八雲が、
日本で妖怪の民話を愛し、
語ったことが自然な流れにおもえます
『笛吹とプーク』にも妖精が出てきますが、
とてもガラも口も悪く
(きっと訛りが強いゲール語の翻訳のせいだとおもいますが)、
アイルランド的なものを感じます
グリムやケルト以外のお話では、
昨今、外国人へのヘイトが煽られている社会や、
新総理の発言によって日中の関係が悪化していることを危惧して、
中国のお話も選びました
昔話は水のようなもので、
国境なく大陸と人のあいだを流れてゆきます
物語という水は、その地の人の心を映す
異なる地のその人は、
あなたやわたしと少しずつ似て、
また少しずつ違って流れてゆく
世界のどの地においても
物語を聴く、安らかな夕べがありますように
わたしは生命の水に、希望を委ねます
タイムラインで物語を読んでゆきます
物語を聴きたい方、どなたでもいらしてください





