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ヒカシューのチケットを扱っています

下の写真の本、「高級芸術宣言」の巻頭には執筆者たちのハチャメチャな格好の写真が載っており、そこに巻上公一さんの姿を見つけることができます。先日静岡のアトリエみるめで上演され巷間を沸かせた芝居「此処(ここ)か彼方処(かなた)か、はたまた何処(どこ)か?」の戯曲を書いた上杉清文さんらが中心になって作った1985年刊の本ですが、エロ・グロ・ナンセンスがいっぱいに詰まった本です。シュルレアリズムなど芸術運動の力を借りて政治的言説やオゲージュツとエロ・グロ・ナンセンスを等価に、というか乗り越えてしまおうという力業が詰まっているのですが、「ほんとうにこんな本を作っていいんだろうか?」というくらいにばかばかしい、しかし本気丸出しの傑作です。ブリーフや軍服やおっさんの看護婦姿などどぎついピンナップが続くなかに一葉、巻上さんのプリティな笑顔が入っていることでとても救われています。しかしそのポートレートをじっと眺めているとやはり巻上さんの笑顔にもどこか過剰さが見受けられて、そのうちどこかからあの美声でもっての過剰な笑い声が頭のなかに響き渡り・・・・。

巻上さんには信念や思想というものがあるのかどうなのか?そんなことを言ったらほんとうに失礼ですが、しかしことステージに立つ巻上さんはミステリアスです。言葉の意味を捨象して音にどこまでもこだわる、たとえば「入念」ではなく「ニューネン」という音にこだわる姿勢などといったことは簡単に言えるかも知れませんが、そんな一点では説明のつかないミステリアスさがあります。一体普通に食事をするんだろうか?目をつぶって眠るんだろうかなどとつい私生活にまで立ち入りたくなります。
昨年のフリーキーショーでのライブの音圧、バンドの音の重厚さや説得力にはほんとに鳥肌が立ちましたが、しかし巻上さんの歌・声がそこに入った途端にあらゆる類例を拒否するような唯一無二の世界が立ち上がる、圧巻のステージでした。

そのヒカシューのライブがまたしても静岡で観ることができるそうです。
5月18日 フリーキーショーhttp://freakyshow.net/sche4.cgi?year=2014&mon=5#179
チケットを扱っております。ぜひ買いに来てください