「読書談義」という会を来月10月10日、夜7時よりに水曜文庫にて開きます。
昨年スノドカフェで『本びより』というイベントに参加させていただきましたが、その時にビブリオバトルを行いました。一冊の本につき三分でしたか、プレゼンテーションを行いコンテスト形式で一等を決めるという会でした。その時に優勝したのが鈴木教弘さん、そしてそれに拮抗したのが岡康史さんでした。
鈴木さんは「蒼茫の大地、滅ぶ」という西村寿行の小説について話されました。この小説は中国から飛来した飛蝗の大発生によって、日本のなかで、中央と東北が二分され戦争を起こすというSF作品です。1978年に書かれた本ですが、地震、そして原発事故による放射能の飛散という現実の事態を受けてこの荒唐無稽なSF作品が現代性・実際性をを帯び、東北の出版社荒蝦夷より2013年に復刊をされたのだそうです。あまたある大衆小説、エンタメ系小説が期せずして現実を凌駕するような作品へと変貌する瞬間も面白いですが、鈴木さんのお話が面白かったのは、西村寿行という作家が実際にとても力量のある作家であるという事実でした。
ぼくはエンタメ系作家の作品をほとんど読んでいません。だってきりがないですから・・・。でもそれでは面白くないんです。
鈴木さんや岡さんは目の前に本があればとりあえずと読んでしまうのでしょう。何だって読む。どのジャンルにおいても面白いものはあり、語るべき作品はあるのだということにおいて鈴木さん、岡さんのお話しには感銘を受けました。また自身の反省もしきり・・・。
「エンタメ系小説が期せずして現実を凌駕する」と書きましたが、「期せずして」ではなく、当然として凌駕する想像力をもった作品があるのだということです。
お二人にまずはそのような小説の面白さについてお話をしていただこうと思いました。もちろん自分が聞きたいということもありますが、一人でも多くの方が聞いていただければ読書の裾野も広がりますし、面白いのではないかと思っております。またその紹介した作品よりこっちの方が面白いという方があればさらにお話も広がります。ぜひお気軽にご参会くださればと思います。
下記に選書を記します。
岡康史さん 「鷲は舞い降りた」ジャック・ヒギンズ(早川NV文庫)
鈴木教弘さん 「乱気流」ジャイルズ・フォーデン(新潮文庫)
読書会とは少し違いますので、必ず本を読んできていただく必要はありません。重ねて申しますが、ぜひお気軽にご参加くださればと思います。
会費は初回につき無料です。
どこかで飲み物を買って持ってきてくださればと思います。