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「読書談義」へのお誘い

10月10日水曜文庫にて「読書談義」という会をしました。本についてお話を聞く会です。ビブリオ・バトルで知り合ったお二方、鈴木教弘さん、岡康史さんにそれぞれ30分ほど一冊の本についてお話をしていただきました。岡さんは「鷲は舞い降りた」(ヒギンズ 早川文庫)、鈴木さんは「乱気流 上・下」(ジャイルズ・フォーデン 新潮文庫)について。
エンタメ系というのか、冒険小説、素直に読書を楽しめるような本を選んでいただきました。

「鷲は舞い降りた」
岡さん自身の読書体験から、ジャック・ヒギンズの位置づけ、物語の時代背景、主人公たちのひき裂かれた内面、登場人物たちそれぞれが持つ小さな掟、フィクションと史実の関係、物語の入れ子の構造など冒険小説の金字塔と言われるような本作について読んでいない人にもわかるよう話していただきました。

「乱気流」上・下
ノルマンディー上陸作戦という大きな物語の裏側で当日の当地の詳細な気象予報を予測するという任務を帯びた登場人物たちの物語。気象予報の技術や知識を描く「お仕事小説」、「戦争小説」、主人公の出自アフリカとイギリス人としてのアイデンティティーの揺らぎを描く「ディアスポラ小説」などさまざまなギミックによって小説を形作ってゆく様を話していただきました。

「鷲」のダイナミックな面白さと「乱気流」の地味でも読ませてしまう面白さ。ぼく自身冒険小説、ミステリー小説をあまり読んでこなかったこともあり、この会をきっかけに踏み込んでみようと思えるおもしろいお話でした。
当日は話者が二人、聴者がぼくを含め三人。お話の途中に聞きたいことはどんどん聞いてかしこまらずに時間を過ごしました。

次回は11月14日(金)19時より行います。
岡さんは「秘密指令オヨヨ」(小林信彦 ちくま文庫)、鈴木さん「フリッカー、あるいは映画の魔」上・下(セオドア・ローザック 文春文庫)の予定です。ご興味の方がいらっしゃいましたらお気軽にご参会ください。
suiyou-bunko@lily.ocn.ne.jp
上記まで「参加希望」と教えていただければ幸甚です。当日直接来ていただいても構いませんのでほんとお気軽に。

よろしくお願いいたします。