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「木のある風景」 繁村周

やっとというか、繁村周さんの絵を店にかけることができました。
繁村さんは日本画を学校で勉強し、今は古い絵や掛け軸の修復のお仕事をされながら、描きたい絵を描いています。学校の時の仲間とアニメーションを作ったり、本の挿画を描いたり、紙芝居を作ったりしたものを店に来た時に見せていただいたりしました。本の挿画の暗いタッチ、荒涼とした絵なのにどこかほの暖かい感じのする絵がぼくは好きになりました。
店を始めたころから、繁村さんはよく来てくれてぼろぼろになった絵本なんかを大事そうに買っていってくれる貴重なお客さまで、なんどか来ていただくうちに話すようになったのですが、もう絵のことしか話さない、むろん児童文学・民俗学など付随することに対する研究熱心さは人一倍あるのですが、頭のなかが絵でいっぱいになっている感じ、固有名詞ががんがん出てきてまだ若いのに教えてもらうことばかり。こちらの言うことにもすぐにメモを取って次に来るときにはその答えを持ってくるし、いつもすごい寝癖のまま来るのですが、いやすごいなと思っていました。

木は彼の大きなひとつモチーフになっているようです。「木のある風景」とのことですが、トールキンの「ニグルの木の葉」を読んだ印象を絵にしているとのこと。紙版画であるのですが、むつかしい説明を聞いてもそれを再現できませんが、銅版画の手法による紙版画なんだといっていました。
写真を撮ったところ(下手なのはすみません)で魅力である陰影までは写りません。ぜひ一度見に来ていただければと思います。