雨の日は苦しき心しかと抱きかすけく強き音に聞き入る
日は沈む浮かびし儘の讃美歌を只訳もなく歌いていれば
なべて皆瞳にうつるもの悲し梅の蕾の仄白き夕
昨日「大杉栄・伊藤野枝・橘宗一追悼墓前祭」にて教えていただいた17歳の伊藤野枝の歌3首(かすれた新聞の字を写したので間違いがあるかもしれません)。今宿の暗くて絶望に倦んだ空気感が切実にでていて、東京に出てやりたいことだけをやるパンク少女の面影がまだない。
大杉豊さんの愛惜こもった野枝への言葉も胸に響いたし、なにより東京そのほか遠いところから集まられる方たちの立居を見させていただくだけでも胸がすっと落ち着くような気がしました。
最初に開会のことばで、ほとんど一人で会の運営をされた方が相互扶助=アナーキズムということと、やまゆり園の事件に対して熊谷晋一郎さんが言った「依存先を増やすこと。希望は、絶望を分かち合うこと。」ということををつなげて話されたのもよかったし、とても気持ちのよい会でした。
講演者・田中伸尚さんの本、「飾らず、偽らず、欺かず 菅野須賀子と伊藤野枝」(岩波書店)が10月21日刊行の予定とのこと。上記野枝の和歌のこともあると思います。