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明日5月13日19時より

??????
発達障害
?????? というお話を川英友(社会福祉士精神保健福祉士)さんにしていただく会をします。http://d.hatena.ne.jp/suiyouu-bunko/20170418

ご興味の方はぜひお話を聞きに来てください。
先日のレジュメと別に川さんがお話の骨子を送ってきてくださったので、「はじめに」という部分のみ掲載をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
参加費500円です。

1.はじめに
2000年代に入ってから、それ以前は養育環境やしつけの問題、あるいは子どもらしさととらえられてきていた落ち着きのなさや対人関係がうまくいかないと言った問題の一部が発達障害の問題としてとらえられるようになった。
この問題のとらえ返しは大きなパラダイム転換であった。これまで非行や引きこもりの原因は学校や家庭の問題と取られてきて延々と議論がされていた。その原因が先天性の脳機能の問題ととらえられることになったのである。
多くの発達障害の子どもを育てている親たちやあるいはその障害と診断や判定を受けた当人達がこのパラダイム転換によって楽になったと答えている。今まで自分のしつけのせいで子どもの落ち着きがなかったり、保育園や学校でうまくやれないと自らを責めていたりした親たちが、それが子どもの脳の器質的な原因によって起きていると理解することによって楽になったと言う。そして今まで自分の努力が足りなかったり、性格が悪かったりしたがゆえに、人間関係や勉学、仕事がうまくいかなかったと思い、自らを責めていた当人たちがそれが脳の器質的な原因によりそういう状況が起きているという理解の仕方をすることによって楽になったと言う。
そして、そのことによりそのような障害のある子の特性が分かり、その子の特性に合った教育をすることにより、その子の能力をより伸ばしていける可能性が広がったということが言われる。また、自らの特性を理解することによって、問題への対処の仕方が分かり、生活がよりしやすくなったという声が、自らがその障害があると認識した当人から発せられる。
以上を踏まえれば、発達障害という概念が広まっていったこと、そしてそれに対する理解が広がり、サポートが広がっていくことはよいことであるかのように思われるであろう。
確かに実際にそのような面もあるだろう。発達障害と一口に言ってもその障害の特性は多岐にわたる。多く聞くのはLD、ADHD高機能自閉症アスペルガー症候群などである。このような特性のある子どもや大人は実際にいるし、それを障害と語らざろえないような状況や文脈は確かにあるのであろう。
 しかし、本当にそれはよいことだけなのであろうか。
 私は学生時代、卒業論文ADHDについて書き、実際にそのような特性のある子どもと関わったり、親の会などを見学させていただいたりした。現在では私は子どもと関わることを生業とはしていない。しかし、大学を卒業した後も、発達障害をめぐって様々な人の意見や考えを聞いてきた。そして、そのような中で発達障害という概念が広まっていくことは本当によいこととだけは言えるのであろうかと思うようになっていった。
 その理由をいくつか述べる。

2.発達障害をめぐる薬の問題
3.病気や障害ととらえることをめぐって
4.特別な支援をめぐって
5.他の障害との関係をめぐって
6.貧困問題との関連
7.おわりに