御殿場在住のアーティスト/イラストレーターちばえんさんのクロッキー集「KASABUTA」が入荷をしました。一冊千円の小冊子です。
個展をやられたとき作った本、なぜわざわざ（手縫いの製本、とても手間がかかっているはずです）この本を作ったのかと云えばずっと以前に会社勤めの帰りの電車のなかで思いにまかせて描かれたこの絵たちが、イラストレーターとして活躍されている現在のちばえんさんの原型のような作品になっているのだと、お話をうかがいました。人間の器官が外在化してほかの生物と同化してしまうような絵やほかのさまざまな変わった生き物の姿たちは、とても思い入れが強いものなのだろうと想像します。
現在ちばえんさんのお描きになる少年の絵をみて、ちばえんさんとぼくとは同年代ながら、自分には表現のできないような、と言ってもぼくにはまったく絵を描くことができないので、だからその少年の有り様をほかの手段でさえ表現できないということなのですが、2015年の少年の佇まいがリアルで、どうしてこんなふうにとらえることができるのだろうとまず思いました。およそ30年でも５年でも１年だって生き物は進化（変化・鈍化でもいいと思いますが）をしているはずで、しかしそれをとらえることができない。それを捕獲しているのがこの原型の絵たちなのではと・・・、そんなことを思いながら「KASABUTA」の頁をめくりました。
新聞や他さまざまな媒体で見ることのできる現在のちばえんさんのpopな絵からさかのぼってみることのできる楽しさよ。絵を描かないぼくがみても面白いので絵を描く人がみたらひとしおに思います。ぜひ手に取って見ていただけたらと思います。
よろしくおねがいいたします。
ちばえんさんのHPは下記に
http://www.chibaen.com/
