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佐野千明さんのCDを取り扱っております

先日ご紹介をしたすきすきスウィッチに続いてもう一人のCDを扱わせていただくことにしました。富士宮市出身の佐野千明さんのCD四種。本以外のことで、しかも聴きもしないで誰でも彼でも拒まずにそんなことをしてたら収拾がつかなくなってよくないではないかという懸念もありましたが、彼女の場合は、その紹介していただいた方が何度か企画したイベントなどにも来ていただいていた方で、音楽をちゃんと聴かれている方だったので心配に思うことはありませんでした。この何日かサンプルにいただいたCDをだれも居ない店内で聴いて過ごしていますがとてもすてきです。まあ福田和也じゃあるまいしわたしの耳なんて信頼はできませんから人に任せたほうがいいのです。

と、卑下したらちょっと言いたくなってしまった。
髪が減り皮膚も変形して荒れまた近頃ではどこで服を買ったらよいかもわからなくなったような初老の男だとて、若い頃はこれでもチェリーレッド・レーベルのレコードを聴いて「おっぱいの小さな女性はかっこいいなあ」とアンニュイに浸ったときもありましたし、ラフトレードのライオット・ガールたちに子宮を熱くしたこともあったような気がします。そういえばレインコーツのファンだったのを思い出しました。まあそんなことはいいです。

レインコーツセックス・ピストルズに影響を受けたぜんぜん楽器のできない女性たちが始めたバンドでしたが、佐野千明さんのCDを聴きながら最初はそんな感じなのかしらと思いました。宅録で扉の開け閉めや通る車やフミコンの音がそのまま入っているし、生活がそのまま音に反映されているようなざらざらした感じが似ていたのか。
でもその印象は間違っていました。「へたうま」ではなく「うまへたうま」というのか・・・。たぶん巷間では知っている人は知っているというような着実なファンがたくさんいらっしゃるのだと思いますが、ぜんぜん音楽遍歴を知らず、ただいただいたCDを四枚聴きながら思うことは、思うにまかせて気合一発で作られているような音楽ではなく、練習だとか考える時間だとかが不思議な情感や言葉遣いの後にあるようなとても丁寧に作られている作品だということ。弾き語り、バンドでの録音、ライブ盤、ピアノのインストと四種のスタイルでそれぞれそのCD一枚分がしっかりした作品・世界になっているようなものとして聴かせていただきました。商売っ気を出していうのではなく、だから四枚を通して聴くと今現在の佐野さんの音楽を捉えられるような気がします。

レインコーツのようだとも、その静謐なアコスティック・ギターの調べとささやくようなヴォーカルが女版遠藤賢司のようだとも思いました。例えが古くてすみません!
またご自身の推薦文には「和み系」だとしっかり書かれているのに、ノイズにばかり反応してしまって紹介文になっていない駄文を弄してしまったような気がします。素敵な音楽です。ぜひとも買いに来てください。よろしくお願いいたします。

佐野千晶
「heya room」1000円 幻のソロアルバム
「雷の朝」1000円 ピアノ曲
「sano/shiro、live&secret」1000円 バンド「白」のライブ音源他未収録曲集
「はくあき」1000円 バンド「白」の初音源