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9月15日(月・祝)黒旗忌/大杉栄・伊藤野枝追悼墓前祭 映画「シュトルム・ウント・ドランクッ」の上映

9月15日(月・祝)黒旗忌/大杉栄伊藤野枝追悼墓前祭
映画「シュトルム・ウント・ドランクッ」の上映をいたします。わたしもまだ通して観ていませんので、内容についてどうこう言うことはできません。
1923年の関東大震災の混乱に乗じて軍部によって大杉栄は殺されます。1911年に起こった大逆事件によって社会運動はとても困難、窮屈なものになり、そのなかで合法・非合法の運動を大杉栄たちは続けてきました。頭のいい人たちは運動から離れ生活に取り紛れた人もいたでしょうし、考え抜いた末転向した人もあったでしょう。そうしたなかで大杉たちは細々と活動を続けていきました。数少ない仲間たちは、運動家というよりは社会不適合者とでもいうのか、戦争へと向かう社会、規律を求める社会からどうしてもはみ出してしまう人たちであったと思います。そういう魅力的なアウトローたちが晩年の大杉のもとには集まっていました。
大杉が殺され、運動の指針も失われ、社会はさらに窮屈になり、金もなくという四面楚歌の状態に置かれたその愛べき人たちの物語なのではないか、そういう活劇なのではないかと映画の惹句を読みながら想像します。
「黒旗水滸伝」という60年代に漫画家かわぐちかいじが描いた作品があります。左右の運動家、ヤクザ、芸能者などはみ出し者たちが辻々で出会う闇鍋のような活劇です。大きな括りの歴史からは知りえないような濃密で豊饒な世界が描かれています。そのような世界観を見せてくれるのでしょうか?

キャストを見ても、やはり自分がおっさんになってしまったせいか、知らない名前が多いのですが、この映画にかかわった人たちは、現在の映画・芝居・音楽・マンガというさまざまなジャンルで活躍している人たちが玉石混合しているようです。ぼくの知っているところでは、大熊亘さん率いるジンタらムータの演奏が楽しみです。チンドン・スタイルの演奏でさまざまなデモを盛り上げてきた彼らの演奏は、明治大正期に活躍した演歌士添田亜蝉坊直系のスタイルとでも言ってよいこれ以上ないくらい映画にマッチする音楽のように思います。

映画の詳しい情報はこちらに
http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=577